改めて防犯の意識と備え

4月12日に広島県府中町の森林公園で男性が殺害された事件で、男性は、事件当日に新幹線で東京から広島に移動し、その後、公園に向かったとみられることが捜査関係者への取材でわかりました。警察は、男性の身元の特定を進めるとともに、複数の男女が事件に関わった疑いがあるとみて捜査しています。

今月12日の夜、府中町の水分峡森林公園にある管理事務所の近くで、男性が何らかの凶器で頭部を複数回殴られて殺害されました。
現場には身元が分かるものやスマートフォンは残されていませんでしたが、そのほかの遺留物などから、男性が事件当日に新幹線で東京から広島に移動し、その後、公園に向かったとみられることが捜査関係者への取材でわかりました。
警察は、男性の身元の特定を進めるとともに、現場周辺の防犯カメラの映像などから、複数の男女が事件に関わった疑いがあるとみて、引き続き捜査しています。

 

ニュースなどでも報じられているとおり、近頃、強盗や手口が巧妙かつ凶悪化した侵入犯罪が相次いで発生しています。店舗だけではなく一般住宅も被害に遭っており、金品のみならず、ときには人命が奪われる事態にまで発展しています。犯罪の手口が凶悪化の傾向にあることから、防犯意識を高め、住まいの防犯対策を更に強化していくことが求められています。侵入犯罪の手口を理解し、警察が勧める効果的な防犯対策を知り、自分や家族の命と財産を守りましょう。

1侵入強盗などの手口が凶悪化。近年の侵入犯罪の状況

ニュースなどでも報じられていますが、一般住宅を狙った「侵入犯罪」は、近年荒々しい手口が目に付きます。周囲に気付かれないようひっそりと行うものではなく、住人の在宅の有無にかかわらず複数人で窓などを破壊して住宅に押し入る、宅配業者や点検業者を装うなどの方法で住宅に押し入り、現金や貴金属を奪い取るなどといった、巧妙かつ凶悪な手口のものが増えています。

実は、空き巣などの「住宅を対象とした侵入窃盗」は平成16年(2004年)以降連続して減少しています。しかし、凶器などで住人を脅して金品を強奪する「住宅を対象とした侵入強盗」に関しては、平成17年(2005年)以降、おおむね減少傾向が続いていたものの、令和4年(2022年)には増加に転じました。さらに、手口の巧妙化・凶悪化が進んでいることから、これまでの防犯対策をより一層強化していくことが求められています。

2知っておこう。侵入犯罪の手口

侵入犯罪の手口に対して効果的な対策を講じるためには、まずはどのような犯罪の手口があるかを知る必要があります。ここでは「侵入窃盗」を例として、侵入者の具体的な手口を知り、防犯対策に役立てていきましょう。

侵入窃盗は無施錠の窓や玄関からの侵入がトップ!

それでは侵入者はどのような場所から、どのような手口で侵入しているのでしょうか。
警察庁が公表している「侵入窃盗の侵入口」(令和5年(2023年))のデータを見ると、一戸建て住宅やマンションなどの共同住宅では、いずれの形態の住宅でも、「窓」と「表出入口」からの侵入が全体の7割以上を占めています。

3効果的な住まいの防犯対策と防犯行動

住宅への侵入犯罪は、いつ、どんなときに被害に遭うかは分かりません。自分や家族の命と財産を守るためには、一人ひとりが高い防犯意識と正しい防犯知識を持つことが大切です。そして、視点を身近なところから地域全体へと広げながら、具体的な防犯行動を起こす必要があります。まずは、防犯対策の見直しから始めてみませんか。

ここで紹介する対策はあくまでも一部です。

まずは自分の行動から。自主防犯行動

警察庁が推奨する侵入犯罪に対する自主防犯行動は、以下のとおりです。1番目から4番目の行動は日頃から意識し、習慣化していきましょう。そして、10番目の110番通報は、不審な人がいた、何かがおかしいという異変や危険を感じたら、ためらうことなく通報をすることが大切です。

 

4侵入者が侵入を諦める物理的な防犯対策

鍵の掛け忘れといった不注意を減らすなど、ちょっとしたことで侵入犯罪の防止を図ることが可能ですが、それだけでは不十分な場合もあります。ピッキングやサムターン回しはもちろんのこと、ドア本体をこじ開ける手口の侵入犯罪も発生しています。このような荒々しい手口に対応するため、CP部品(防犯性能の高い建物部品)を導入して、侵入口となる窓や玄関口を物理的に強化するほか、防犯カメラやセンサーライトを設置するなど、物理的な防犯対策を施すことも効果的です。

侵入口を物理的に強化するCP部品

建物に侵入する際、「5分以内」に侵入することができなければ、約7割の侵入者は侵入を諦めると言われています。
そのため、建物部品の防犯性能の目安の一つに「5分間、侵入のための人為的破壊行為に耐えられるかどうか」という評価基準があります。この人為的破壊行為に耐えられる時間を「抵抗時間」と呼び、ドアや錠など商品ごとに定められた試験を行い、抵抗時間が5分間以上であることを確認されたものなどが「防犯性能の高い建物部品(CP部品)」として認定されれいます。

CP部品には、ドア、錠、サッシ、ガラス、ウィンドフィルム、雨戸、面格子、窓シャッターなどの17種類3,485品目(令和6年(2024年)11月18日現在)が認定されています。なお、CP部品は、試験によって5分間以上の抵抗が確認されたものですが、侵入を完全に防ぐものではありません。

なお、これらのCP部品には、共通標章である「CPマーク」を貼ることが認められています。防犯性能試験に合格し、「防犯性能の高い建物部品」として認定された商品のみに使用が認められるマークです。建物部品の購入を検討する際の目印とすると良いでしょう。

 

まとめ

侵入犯罪は、巧妙かつ凶悪な手口が増えています。最新の防犯知識を得て対策を立てるとともに、不審な人がいた、何かがおかしいという異変を感じたら、ためらうことなく110番をすることが大切です。

 

 

 

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