マンション大規模修繕で固資税減額へ新制度創設

政府与党は16日、「令和5年度税制改正大綱」を決定した。不動産・住宅関連の主な改正項目は下記の通り。

土地の有効活用による投資促進と不動産市場の活性化に向け、長期保有(10年超)の土地等を譲渡し、新たに事業用資産(買換資産)を取得した場合に譲渡した事業用資産の譲渡益の課税の繰り延べを認める措置と、土地の所有権移転登記および信託登記に係る登録免許税の特例措置、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例について、それぞれ3年間延長する。

人口減少が進展し利用ニーズが低下する土地が増加する中、新たな利用意向を示す者への土地譲渡を促進し、適切な利用・管理を確保、さらなる所有者不明土地の発生を予防するために、個人が保有する低額な土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特例措置を延長。さらに譲渡価額の要件の上限について条件付きで800万円に引き上げる。

REITおよび特定目的会社が取得する不動産に係る特例措置は2年間延長。不動産特定共同事業法上の特例事業者などが取得する不動産に係る現行の特例措置も2年間延長すると共に、不動産取得税の軽減対象に保育所を追加する。

都市の競争力・魅力の向上と活力ある地方づくりを進めるため、都市再生緊急整備地域等における国土交通大臣の認定を受けた優良な民間都市開発プロジェクト(認定民間都市再生事業)に係る特例措置の3年間延長と、地方都市における事業区域面積要件の緩和(1ha→0.5ha)を行なう。
また、市街地再開発事業による保留床の処分促進に向け、事業用資産を保留床に買い換えた場合の課税繰り延べの適用期限を3年間延長する。

住まいの質の向上や無理のない負担での住宅確保につなげるための施策として、マンション長寿命化の促進に向け、一定の要件を満たすマンションにおいて、長寿命化に資する大規模修繕工事が実施された場合に、マンションに係る固定資産税額を減額する特例措置を創設する。期間は2年間(2023年4月1日から25年3月31日)。
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除については、適用期間を4年間延長。さらに売買契約等に基づき、買主が譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震改修または除却の工事を行なった場合、工事の実施が譲渡後であっても適用対象とする形に拡充する。

買取再販で扱われる一定の住宅等に係る不動産取得税(宅地建物取引御者の取得にかかるもの)について、軽減措置の適用期限を2年間延長。また高齢者が安心して暮らせる住宅ストックが不足していることに鑑み、新築のサービス付き高齢者向け住宅に係る特例措置も2年間延長する。

※不動産ニュース12.16より引用

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