国内不動産私募ファンド市場、35兆円規模に

(一社)不動産証券化協会(ARES)、(株)三井住友トラスト基礎研究所は15日、第4回「不動産私募ファンドに関する実態調査」の結果を発表。2024年1~2月(23年12月末基準)、国内不動産を対象に不動産私募ファンドを組成・運用している不動産運用会社129社を対象にアンケートを送付。81社から回答を得た。

23年12月末時点の不動産私募ファンド(私募REIT、グローバルファンド含む)の市場規模を運用資産ベースでみると、35兆円(前回調査=23年6月末時点=比4.8%増)と推計した。内訳は、国内特化型が25兆4,000億円(同9,000億円増)、私募REITが6兆円(同4,000億円増)、グローバル型が3兆6,000億円(同2,000億円増)といずれも拡大している。
引き続き市場の拡大基調が続いたものの、運用資産額の増加幅は前期(12.4%増)に比べて減速している。欧米の不動産市場の不振を受けて海外投資家に国内不動産を売却する動きがみられたことや、海外の金利上昇に伴う国内不動産ファンドの利益確定の動きがみられたことなどが、規模拡大の重しになったと推察した。

エクイティ投資家の投資意欲を見ると、「変化はない」が66%(同12ポイント低下)と過半を占めたが、「低くなってきている」が27%(同15ポイント上昇)となり、投資意欲が減退しているとみる運用会社が増えている。

プロパティタイプ別の投資額については、海外投資家の「住宅」を除き、国内・海外ともい各プロパティタイプで「減少」「やや減少」という回答の割合が増加した。特に「オフィス」については市場の先行懸念から減少が目立っている。

 

 

不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイトR.E.portより転載

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